最近は、多嚢胞性卵巣症候群と呼ばれる病気が密かに流行っているのを、あなたはご存知でしょうか?

今回は、そんな多嚢胞性卵巣症候群にまつわる原因や治療法について詳しく見ていくとともに、普段からどのようなことに意識していかなければならないのか?また、自力での治療の仕方はないのか?といった点についても詳しく見ていきたいと思います。

多嚢胞性卵巣症候群とは?

卵巣にはたくさんの卵細胞があり、平均して月にひとつずつ成熟し、排卵します。卵細胞は卵胞という袋に包まれていて、発育するにつれてこの袋が大きくなっ ていき、およそ2cmくらいの大きさになると破裂して、卵胞の中の液体とともに卵細胞が排卵されます。多嚢胞性卵巣症候群とは卵胞が卵巣の中にたくさんでき、ある程度の大きさにはなるのですが、排卵がおこりにくくなる病態です。

多嚢胞性卵巣症候群というのは長い名前のために、「polycystic ovary syndrome」という英語の病名の頭文字をとって、PCOSまたはPCOと呼ばれます。PCOについては病気と捉える方が多いのですが、病気というより、一連の病的な状態(病態)と捉えた方が的確です。

PCOと診断されても、そのほとんどは軽度なものが多いので、あまり深刻に捉える必要性はありません。しかし、医療機関にてきちんと検査し、治療をしていくことが大事です。妊娠するためには治療を行い、良い卵を排卵させることがポイントになります。

多嚢胞性卵巣症候群の症状はどのよなものなのか?

最も特徴的な症状は下記の通りです。

・排卵がおこりにくいことによる月経不順や無月経
・卵胞の中では男性ホルモン(テストス テロン)が作られるため、血液中の男性ホルモンが増加。多毛、にきび、低音声などの男性化徴候が見られます。


・肥満に伴う体脂肪に男性ホルモンやエストロゲンがたくさん蓄えられるため、視床下部や下垂体に過剰に働きかけてしまい分泌異常を引き起こします。また肥満の人は血中のインスリン濃度が高値を示しやすく、インスリン抵抗性(血糖降下作用の減弱)が関与することによって、排卵機能を低下させると考えられています。


・黄体ホルモン分泌不全による月経過多や出血がとまらないなどの症状
・不妊(排卵障害による不妊となります。PCOでは周期毎に「排卵するかどうか」が治療をしていくポイントとなります。)

多嚢胞性卵巣症候群の原因とは?

PCOの原因には様々な説があり、未だにはっきりとは解明はされていません。しかし現在のところは内分泌異常、あるいは糖代謝の異常などが考えられています。

内分泌異常

脳下垂体からはLH(黄体化ホルモン)とFSH(卵胞刺激ホルモン)が出て卵巣に働き、卵胞の発育を促しますが、PCOでは、このうちLHの分泌が増えてFSHとのバランスの乱れがおこり、卵胞がうまく発育できないようです。

排卵がおこらないと、排卵をさせようとさらにLHの分泌が増えるため、乱れがますますひどくなるという悪循環に陥ります。

糖代謝異常

近年、PCOはインシュリンと関連しているものと思われています。インシュリンとはすい臓から分泌されるホルモンで、グルコースから体にエネルギーが得られるようにするものです。

多嚢胞性卵巣により、このメカニズムに影響する細胞ができ、インシュリンの量が増加するためにより、さらに男性ホルモンも増加するのではないかと言われています。(これにより月経不順、毛深くなります。)

多嚢胞性卵巣症候群の解決方法とは?

PCOについての根本的な治療法はまだわかっていません。多嚢胞性卵巣の約70%の女性は排卵に問題をおこすため、不妊症になる可能性が高くなります。

よって妊娠を希望される場合は排卵誘発法を行います。排卵誘発剤クロミフェン・クロミッドをサイクル2~6日の間服用し、80%の女性は排卵をおこします。またクロミッドで反応がない場合は、hMG-hCG療法(排卵をおこすための注射療法)を行ったりします。副腎皮質ホルモンを併用することもあります。

PCOの場合は、排卵誘発を行ったときに、卵巣過剰刺激症候群(OHSS)とよばれる副作用をおこしやすい傾向があるので注意が必要です。

腹腔鏡下手術で卵巣の表面に小さな穴をたくさんあけ、排卵を促すと方法も行われることがあります。さしあたり妊娠の希望がない場合は、月経を周期的におこすような治療を行います。これには、カウフマン療法とよばれるホルモン療法や、低用量ピルなどのホルモン剤を使います。

グリコラン(メトフォルミン)がPCOの女性には効果があるとされています。通常500mgを日に3度服用、4週間してからホルモン値、腎機能、肝機能などの血液検査をし、排卵状況をさぐります。

各自の状況により、さらにエコー、クロミッドとの併用など服用や検査の仕方がさまざまです。グリコラン(メトフォルミン)は、インスリン抵抗性が高血糖の原因と考えられるインスリン非依存型糖尿病の治療薬です。

PCOの病因は、卵巣内アンドロゲン濃度の上昇であり、機能性卵巣アンドロゲン過剰分泌と理解されています。インスリンは直接卵巣に作用して、卵巣内のアンドロゲン産生を促進する働きがあります。 PCOの患者がグリコラン(メトフォルミン)を内服すると、血中のインスリンが減少し、その結果、卵巣内のアンドロゲンが減少すると報告されています。

多嚢胞性卵巣症候群を予防するための食事の習慣

多嚢胞性卵巣症候群では食事療法が大きなポイント。白米、パン、うどんなどの炭水化物や甘い物など血糖値を上昇させやすい物の摂り方に気を付けることが大切です。野菜や果物もバランス良く食べながら、タンパク質やビタミンB、亜鉛や鉄分などを積極的に摂取し、インシュリン抵抗性を改善していくように心がけましょう。

改善のために必要な栄養素

女性ホルモンをより分泌させるための栄養素は、たんぱく質が不可欠です。その他以下のような栄養素を積極的に摂りましょう。

ビタミンE

抗酸化作用があるビタミンEはアンチエイジングの話でよく耳にしますが、女性ホルモンを分泌する卵巣の老化を防止する働きもあります。ビタミンEが多く含まれている食品には、アボガドやかぼちゃ、アーモンドなどのナッツ類などがあります。

食品ではなくても、煎茶には特に多くビタミンEが含まれています。お茶といえば食事中や食後が思い浮かびますが、煎茶はタンニンが多く含有され食べ物の消化にはよくありません。煎茶にはカフェインが多く含まれていますので、朝起きて飲む、眠くなる時間にいただく方が適していいます。

ビタミンB6

ビタミンB6が含まれる食品には、バナナ、マグロ、サツマイモなどがあります。マグロには特に多く含まれますが、毎日手軽にビタミンB6を摂るにはバナナは最適です。

イソフラボン

イソフラボンは女性ホルモンに似た作用を持っている栄養素です。大豆に多く含まれており、納豆や豆乳などを摂ることで摂取できます。

納豆や豆乳は好き嫌いがはっきりする食品で、どうしても苦手という方が多いと思います。苦手という方は、他に豆腐や油揚げ味噌汁などでも摂取できます。

コレステロール

コレステロールと聞くと、コマーシャルの影響などもあって悪いイメージしかありません。でも、コレステロールは女性ホルモンを作る原材料になります。


コレステロールには二種類があり、善玉コレステロール(HDL)と悪玉コレステロール(LDL)に分かれ、女性ホルモンの材料になるのは悪玉コレステロールの方です。悪玉コレステロールは人体に一切ない方がよいというわけではなく、あくまでもバランスが重要です。

だからと言ってコレステロールを過剰に摂取する必要はありません。例えば卵がコレステロールを多く摂れる食品です。以前は一日に卵はひとつまでと言われていましたが、今は2〜3個食べる必要があると言われています。

おすすめの食べ物

大豆製品は女性ホルモンの分泌を促す食品です。特に大豆に含まれるポリフェノールの一種であるイソフラボンは、女性ホルモンと似た働きをするため、月経不順や更年期障害の人に大きな効果があると言われています。

おすすめレシピのご紹介!

大豆入りミネストローネ

【材料(3~4人分)】

・水煮大豆…1袋
・ウインナーまたはベーコン…100g程度
・キャベツ…100~150g程度
・玉ねぎ…100~150g程度
・人参…100~150g程度
・トマト…中1個(このほかにもキノコやジャガイモ、セロリなどもOK)
・トマトホール…1缶
・コンソメスープ…3個
・水…1000cc
・オリーブオイル、塩コショウ…適量(あればクレイジーソルトやマジックソルト)

【作り方】

①具材は全て1~2cm角程度の大きさにカットします。
②フライパンか鍋を火にかけ、オリーブオイルでウインナー(またはベーコン)を炒めます。
③トマト以外の具材を投入し炒めます。
④トマトと調味料を全て入れ、アクを取りながら、中火で20分程度煮込みます。
⑤最後に塩コショウやマジックソルトなどで味を調えて出来上がりです。

豆乳スープ

【材料(3~4人分)】

・白菜…1/4
・ブロッコリー…1株
・ウインナーまたはベーコン…150g
・コンソメスープ…1個
・水…100cc
・豆乳…500~600cc
・塩コショウ、粉チーズ…適量(具材にはキノコや玉ねぎ、じゃがいも、人参などもおすすめ)

【作り方】

①具材は一口大にカットし、火が通りにくい物は下茹でしておきます。
②鍋に水を入れ煮立ったらコンソメスープを投入、白菜やウインナーも入れて中火で煮込みます。
③白菜が柔らかくなったら豆乳とブロッコリーを入れます。
(豆乳を入れた後は煮立たせないことがポイント)
④沸騰前に火を止め、塩コショウや粉チーズで味を調えて出来上がりです。

まとめ

多嚢胞性卵巣症候群を薬などに頼らず自力で改善したいという方も多くいらっしゃいます。自力での改善は、多嚢胞性卵巣症候群で体質改善を行うための食事療法や運動が中心になります。運動は激しい運動ではなく、ウォーキングやヨガなど心拍数が少し上がる程度の運動が適しています。

食事療法以前に食べ過ぎは多嚢胞性卵巣症候群に限らず悪い影響しかありません。また、多嚢胞性卵巣症候群には肥満との関連性もありますので、最初に気を付けるべき点です。その他に多嚢胞性卵巣症候群では男性ホルモンが優位になりますので、女性ホルモンの代謝を活発にしてくれる栄養素を摂ることも意識しましょう。

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